Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(五) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 252.330 caratteri · 505 schermate
これは鶴ヶ岡の神酒、きのう、全軍の将士へ勝ち祝いとして酌み頒けたものよ。まず一杯まいれ」
と、義貞は上々の機嫌で、侍臣をして、さっそくに、杯台をそこにおかせる。
ここは、彼の仮館、いや仮陣所といっていい。
鎌倉じゅう、八割は焼け野原なので、宿所割りもなかなかつかず、一部の将士はまだ焦土に野陣している有様だから、義貞すらも住居に困った。――で、鶴ヶ岡の鶯谷一帯にわたる神官や僧侶の邸宅をたちのかせて、当座の本営としていたのだった。
また。
足利若御料(千寿王)の宿所には、近くの八正寺ヶ谷の別当屋敷をあてていた。――義貞の家臣は駈けて、まもなく、千寿王をこれへ迎えてきた。
「ああ、おつつがなくて」
と和氏は、その姿を拝してから、義貞へむかって言った。
「共に、鎌倉入りの御陣をおつとめ遊ばしたお蔭で、かく御無事なるをえましたが、一方、わが足利家においては、竹若君と申される庶子の御長男を亡くされました。……ご落命の厄に会った浮島ヶ原は、戦場ではなかったにせよ、いわばご戦死も同様なこのたびの犠牲。そのことのみが、家臣としても、ふかく胸いたまれてなりませぬ」
「むむ、まことに」