Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しゅうふうき

秋風記

太宰 治

Leggi 秋風記 (しゅうふうき) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8011 caratteri · 17 schermate

Aozora Bunko

ゆうべ、かえるなんて乱暴なこと言ったの、あれ、芝居だよ。僕、――舞台中毒かも知れない。一日にいちど、何か、こう、きざに気取ってみなければ、気がすまないのだ。生きて行けないのだ。いまだって、ここにこうやって坐っていても、死ぬほど気取っているつもりなのだよ。」

「恋は?」

「自分の足袋のやぶれが気にかかって、それで、失恋してしまった晩もある。」

「ねえ、私の顔、どう?」Kは、まともに顔をちか寄せる。

「どう、って。」私は顔をしかめる。

「きれい?」よそのひとのような感じで、「わかく見える?」

私は、殴りつけたく思う。

「K、そんなに、さびしいのか。K、おぼえて置くがいい。Kは、良妻賢母で、それから、僕は不良少年、ひとの屑だ。」

「あなただけ、」言いかけたとき、女中がミルクを持って来る。「あ、どうも。」

「くるしむことは、自由だ。」私は、熱いミルクを啜りながら、「よろこぶことも、そのひとの自由だ。」

「ところが、私、自由じゃない。両方とも。」

私は深い溜息をつく。

「K、うしろに五、六人、男がいるね。どれがいい?」

つとめ人らしい若いのが四人、麻雀をしている。ウイスキーソーダを飲みながら新聞を読んでいる中年の男が、二人。