Classici giapponesi con furigana
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あるゆうかくでのできごと
空にむかひて
若杉 鳥子
Leggi 空にむかひて (あるゆうかくでのできごと) di 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.677 caratteri · 46 schermate
何という奇怪な葬式だったろう――葬式そのものよりも其処に参列した会葬者達の感情と気分とが、普通の死を囲繞するものとは全然異なっている。
轢死の場所で検死が済むと、男の方は親へ、女の方は楼主へ引き渡されたものだった。
それでも白木の棺だけは用意されて、其処からは一丁程しかないお寺の墓地に搬ばれたのである。
路に添うた墓地の一郭、此処は昔から無縁の死者を埋める処で、土饅頭が幾つも熊笹に埋もれているだけで、墓標も何もない、おまけに大きい樹が繁りあって、昼も暗く空を掩っている。血が滲み出しはしないかと思われる位、死後の時間を経過しない棺桶が一つ、あら縄で括られたまま手荷物か何かのように、今掘り起こされつつある赭い盛り土の傍に置いてあった。
寺男の爺さんはせっせと鋤をふるいながら段々穴を掘り下げていたが、
『お、こんなものが出やがった、偉い酒の好きな仏様だと見えて……』
そういって何か土塊のようなものを、見物人のあしもと足許へ投げ出した。
黒い大徳利が一つ、過ぎ去った人生そのもののような顔をして、久しぶりで空気の中に置かれた。
『みんな、見物ばかりしてねえで、お酒でも買って上げな、そうしねえてと今夜この仏様がよ、打ち掛け姿で礼に廻って歩くと……』