Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん

空中漂流一週間

海野 十三

Leggi 空中漂流一週間 (くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.324 caratteri · 35 schermate

Aozora Bunko

老人は首をぶるぶる慄わせていった。

「怪しい人物、ははあ本当かな。臆病者には、蚯蚓が蛇に見える」

「六条さん、そんなことをいっているのを幹部に聞かれると、うるそうがすぜ」

「なにがうるさいものか。この事変下に怪しい奴の一人や二人うろついているのは当り前だよ。なにも班長までが騒ぎまわらなくともいいじゃないか。そんなことは気球に乗らない連中に頼んでおいて、自分たちは予定どおりのるのがいい。敵軍は、こっちにそんな騒ぎがあろうとなかろうと、お構いなしに空襲を仕かけてくるだろうからね」

「そりゃそうですが、さっきもこの気球のあたりを探していましたが、その憲兵さんの話を聞くと、先月横浜沖に碇舶していた貨物船から無断上陸をして逃げたソ連共産党の幹部スパイで、キンチャコフとかいう大物も交っているらしく、なかなかたいへんな捕物なんですよ」

「キンチャコフだって、どっかで聞いたような名前だ。だが、キンチャコフはどこまでもキンチャコフで、監視哨はどこまでも監視哨なんだ。さあ、係員にそういって予定の時刻が来たから、早く気球の綱をとくようにいってくれたまえ」

「へえ、やっぱり六条さんは、一人で上へあがるのですか」