Classici giapponesi con furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Leggi 糞尿譚 (ふんにょうたん) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.974 caratteri · 99 schermate
どぎまぎし、ひょっくり、皆田は友田喜造の腹心の者だったことに思いいたり、背後に友田の鳶のような凄い眼附を感じて、途方に暮れた気持になったが、ようやく、気をとりなおし、自分の事業だけはどんなことがあっても守らねばならぬと思った。なおもへんにからんで来る皆田を残し、金を払って、逃げるように夜の中に出た。彼が生涯を賭して来た事業をおびやかす者が背後に迫ったような不安な気持の中で、彼の事業に対する限りない愛著が沸々と湧きいでた。混迷して来る気持を整理することが出来ず、すたすたと足を早め、煙につつまれたような気持で歩いているうちに、ごたごたとした多くの想念の中から、抜け出るように、今に見て居れ、という一つの言葉だけが、火玉のように彼の身内に飛びあがって来た。
秋風が立ち始めた或る日であった。もう夜が明けた頃と思うのに何時までも外が明かるくならないので、表の戸を開けてみると、今にも一雨来そうに空が暗かった。南風が冷たく顔を撫で、拭いたように南の空が覗いているので、雨にはならず間もなく晴れると思った。昨日、海員児童ホームと山手小学校との便所が溜って流れるほどになっているからと、市役所から喧しく云って来て居ったので、今日はどうしても汲取りに行かねばならない。