Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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「もん」

「紋」

黒島 伝治

Leggi 「紋」 (「もん」) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4739 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

」

「あんな奴は叩き殺してしまえ!」近所の人々は口々に、憎さげに云った。

「もっと遠いとこイ持って行(い)て捨てイ。」とじいさんは、近所の噂を聞いてきて、ばあさんに云った。

「遠い所いうたって、どこへ持って行くだよ。」

「どこぞ、なか/\戻って来られん所じゃ。」

毎晩、じいさんと、ばあさんとはこんなことを話しあっていた。

地主の坊ちゃんは、部落の子供達を集めて、それぞれ四五尺の棒を手にして、猫を追っかけてぶん殴りに来た。

「茂兵衛ドンの猫は家の雛を捕ったんじゃで……魚でも、芋でも、何でも盗むんじゃ。」会う人に悉くそうふれまわった。

我鬼どもは坊っちゃんのあとから、ひとかどの兵士になったつもりで、列を作って走った。棒は銃の代りに肩にかついでいた。

子供達は、毎日兵隊ごっこをやった。敵はいつも猫だった。大将になった坊っちゃんのあとにはボール紙を円く巻いて口にあてがった、喇叭卒がつづいていた。

猫は、跛を引いて逃げ帰ると、納屋の隅にうずくまって、殴られた足をかばうようにねぶった。

「猫を出せエ、こらッ! 猫を出せエ、こらッ!」兵隊になった子供達は、おりくの家のまわりを囲んで叫んだ。