Classici giapponesi con furigana
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ぞくごくちゅうき
続獄中記
大杉 栄
Leggi 続獄中記 (ぞくごくちゅうき) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.326 caratteri · 49 schermate
と言った蘇峰か誰かの言葉が、初めて身にしみて感じられたが、嬉しさのあまり、その時にはまだ、これが故郷の感じだという理知は、その感じの解剖は、本当にはできていなかった。蘇峰か誰かの言葉というのも、どうやら、その後のある時に思い出したもののようだ。
この故郷の感じは、その「ある時」になって、再び十分に味わった。そしてこれがいわゆる故郷の感じだということは、その「ある時」になって、初めて十分に知った。
初め半年ばかりいて、出てからまだ二月とは経たぬうちに、再び巣鴨へやられた時のことだ。巣鴨のあの鬼ヶ島の城門を、護送の看守が「開門!」と呼ばわって厚い鉄板ばかりの戸を開かせて、敷石の上をガラガラッと馬車を乗りこませた時だ。
僕はいつものように、馬車の中の前のはじに腰をかけて、金あみ越しにそとを眺めていた。門が開くと監獄の前の、広い前庭の景色が眼にはいった。その瞬間だ。僕は思わず腰をあげて、金あみに顔を寄せて、建物のすぐ前に並んでいる桧か青桐かの木を見つめた。そしてしばらく、と言っても数秒の間だろうが、あの一種の感に打たれてぼんやり腰を浮かしていた。それに気がつくと、すぐに僕は、かつて帰省の途に汽車の中で打たれたかのインスピレーションを思い出した。