Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぞくごくちゅうき

続獄中記

大杉 栄

Leggi 続獄中記 (ぞくごくちゅうき) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.326 caratteri · 49 schermate

Aozora Bunko

「なんだ押丁のくせに」と食ってかかるものすらもあった。また、その押丁が看守になってからでも、みんなはやはり、前と同じように親しみ狎れ、または軽蔑していた。ある押丁あがりの看守のごときは、その男は今でもまだ看守をしているが、その姓が女郎の源氏名めいているところから、夜巡回に来て二階の梯子段をかたかた昇って行く時なぞに、「○○さんえ」と終りの方を長くのばした黄いろな声で呼ばれて、からかわれていた。

しかしかの老押丁とは誰一人口をきくものもなかった。先きに言った僕との知友の強盗殺人君ですらも、この老押丁とは多くはただ睨み合ったまま黙っていた。看守も、他の押丁に対しては時々大きな声で叱ったりすることもあるが、この老押丁に対してだけはよほど憚っていた。用事以外には口もきかなかった。

老押丁はこうしてみんなに憚かられ気味悪がられ恐れられながら、いつも傲然として、得々として自分の定められた仕事をしていた。そして自分のすることについて少しでも口を出すものがあれば、被告人でも上役のものでも誰彼の別なく、すぐに眼をむいて怒鳴りつけた。僕はこの男が一度でも笑い顔をしたのを見たことがなかった。