Classici giapponesi con furigana
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るこうしんそう
縷紅新草
泉 鏡花
Leggi 縷紅新草 (るこうしんそう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.566 caratteri · 48 schermate
「ああ、ちょっと。」
袖を開いて、お米が留めて、
「そのまま、その上からお結えなさいな。」
不精髯が――どこか昔の提灯屋に似ていたが、
「このままでかね、勿体至極もねえ。」
「かまいませんわ。」
「構わねえたって、これ、縛るとなると。」
「うつくしいお方が、見てる前で、むざとなあ。」
麦藁と、不精髯が目を見合って、半ば呟くがごとくにいう。
「いいんですよ、構いませんから。」
この時、丸太棒が鉄のように見えた。ぶるぶると腕に力の漲った逞しいのが、
「よし、石も婉軟だろう。きれいなご新姐を抱くと思え。」
というままに、頸の手拭が真額でピンと反ると、棒をハタと投げ、ずかと諸手を墓にかけた。袖の撓うを胸へ取った、前抱きにぬっと立ち、腰を張って土手を下りた。この方が掛り勝手がいいらしい。巌路へ踏みはだかるように足を拡げ、タタと総身に動揺を加れて、大きな蟹が竜宮の女房を胸に抱いて逆落しの滝に乗るように、ずずずずずと下りて行く。
「えらいぞ、権太、怪我をするな。」
と、髯が小走りに、土手の方から後へ下りる。
「俺だって、出来ねえ事はなかったい、遠慮をした、えい、誰に。」
と、お米を見返って、ニヤリとして、麦藁が後に続いた。