Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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びしょうねん

美少年

岡本 かの子

Leggi 美少年 (びしょうねん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.417 caratteri · 27 schermate

Aozora Bunko

「なんだ。コブ附きか、時公、約束が違うぞ」

少年は、わざと頭を掻く振りに、困った様子を示し

「だって、頼まれちゃったんだ。ひいひいたもれのお姫様に、縁日を見せて呉れって」

わたしは、また嘘の見栄をいう少年の顔をまじまじと見ようとしたが痛む眼を労り、中途でやめた。少年はわたしに向い少しバツの悪い顔をしたが、取繕うように

「これは鼠っぽのおじさんていう綽名の友達さ」

鼠っぽというのは雌鯒のことで、この青年の口附が小さく尖り出している恰好からこの魚に譬えられるとわたしへ愛想のように説明した。

少年はわたしを青年には

「さる山の手のお嬢さん」

と勿体振って紹介したが、この魚問屋の若主人は、まともの挨拶なぞは不勝手の様子を見せ、わたしの女学生風のお叩頭に対し、尊大に「アン」と反り返って返事をし、それからわたしに憚って、わざともつれ紛らかした声を、金歯の閃く筒のような口から出した。

「どうするんだ。折角、親切に、雛っぺえを呼んどいてやったんじゃねえか、あすこに」

といって顎で植木屋の列のうしろを指した。その言葉をわたしはやっぱり聞取れた。

途端に植木屋の間から、出の衣裳らしい盛装のお雛妓が一人現れた。