Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
びしょうねん
美少年
岡本 かの子
Leggi 美少年 (びしょうねん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.417 caratteri · 27 schermate
一人居残った病室で、わたしは、時春の死を想ってみていた。あの時春の死。それは嘘のようにもおもえ、また、結局こういうことになるのが順当のようにもおもえた。そして、その死については、なにかわたしにも罪咎があるような気がして来るとわたしは得堪えず身体の上体を両手で抱えて激しく揺り動かした。
「時春さん。堪忍してよ、堪忍してよ」
先夜縁日の帰りにいえなかった言葉が思わず口に咽び出た。口惜しい涙があとに続いた。
伝えに来た人の話によると、少年の死骸ははじめ判らなかったが上げ潮に押され、道三堀の水の落口まで溯って浮いたのを発見されたという。そこはわたしも嘗て少年に連れられて菱の実を取りに行ったところである。藻草や青みどろで水は青く染っていた。
青い水に浮く一朶の牡丹桜のような少年の死骸、わたしは、その美しさを目にまぼろしに泛べてみた。
だが、事実は相違していた。
お祖母さんの帰ってからの話によると、少年の死顔は様変りして案外見すぼらしかった。深く歎いた母親は、折しも入棺の柩の中の少年の死顔に対し、必死と、含み綿をさせたり、お白粉で化粧したりしたという。現にお祖母さんはそれを手伝って来た。