Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はごろもものがたり

羽衣物語

小川 未明

Leggi 羽衣物語 (はごろもものがたり) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 6149 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

はいられませんでした。

天女は、それが、こうしてわざわいを招くとも知らず、袂をひるがえすと、さっさとくじゃくの舞うように、人間のいぬのを幸いに、松原へ降りたのであります。

すると、しめった土のさわやかさ、水晶をくだく海の水、天女は、心いくばかりそれに親しまんものと、足にまつわる羽衣をぬいで松の枝へかけ、はだしのまま、なぎさの方へ走ったのでした。

そして、冷たい水に足をひたしながら、ささやきつつ、寄せては返すさざ波を相手としてたわむれ、いつしか、時のたつのを忘れていたのでありました。そのうち、東の空がほんのりと赤く色づきました。それを見て、天女は、はじめて朝日の上がらぬうち、天へ帰らなければならぬと気づき、羽衣をとりに、松原へ引き返したのでした。

ところが、その大事な羽衣は、いつのまにか、人間の手に入っていました。このとき、若者は、

「これほどお願いしても、まだなんともおっしゃらぬのは、私の心がおわかりにならぬからでございますか。」と、悲しそうにいいました。これを聞くと天女は、

「いえ、なんで、わからぬことがございましょう。天と地とわかれていても、情けにかわりもなければ、また善し悪しや、喜びや悲しみにも、ちがいはないのでございますものを。