Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ろうふうふ

老夫婦

黒島 伝治

Leggi 老夫婦 (ろうふうふ) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.957 caratteri · 27 schermate

Aozora Bunko

」ようよう鮨屋を探しあてると両人はのれんをくゞるのをためらった。

「ひょっと銭が足らなんだら困るのう。」

「弁当を持って来たらえいんじゃった。」

「もう、よしにしとこうか。」ばあさんは慾しい鮨もよう食わずに、また人ごみの中をぼそぼそ歩いた。そして公園の隅で「八ツ十銭」の札を立てている焼き饅頭を買って、やっと空腹を医した。

「下駄は足がだるい。」

「やっぱり草履の方がなんぼ歩きえいか知れん。」

両人はそんな述懐をしながら、またとぼとぼ歩いた。

帰りには道に迷った。歩きくたびれた上にも歩いてやっと家の方向が分った。

「お帰りなさいまし。」園子が玄関へ出てきた。

両人は上ろうとして、下駄をぬぎかけると、そこには靴と立派な畳表の女下駄とが並べてあった。――園子の親達が来ているのだった。

予備大佐はむっつりとものを云う重々しい感じの、田舎では一寸見たことのない人だった。奥さんは一見して、しっかり者だった。言葉使いがはきはきしていた。初対面の時、じいさんとばあさんとは、相手の七むずかしい口上に、どう応酬していゝか途方に暮れ、たゞ「ヘエ/\」と頭ばかり下げていた。それ以来両人は大佐を鬼門のように恐れていた。