Classici giapponesi con furigana
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ろうこのかい
老狐の怪
田中 貢太郎
Leggi 老狐の怪 (ろうこのかい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 794 caratteri · 2 schermate
志玄という僧があったが、戒行の厳しい僧で、法衣も布以外の物は身に著けない。また旅行しても寺などに宿を借らないで、郭外の林の中に寝た。ある時縫州城の東十里の処へ往って墓場へ寝た。ところで、その晩は昼のような月夜で四辺がよく見えた。ふと見ると、木の下に一疋の狐がいて、それが人のするように、傍にある髑髏を頭の上に乗っけて首を振り、そして落ちた物はやめて、他の髑髏を取って乗っけたが、三四回目に落ちないのが乗っかった。すると狐は傍の草の葉をちぎって、それを体につけだしたが、見る見る若い美しい女になった。
その時馬の鳴声が聞えて、一人の男が馬に乗ってやってきた。それを見ると狐の女は、路の傍へ立って泣きだした。馬に乗っていた男は、女の泣いているのを見ると馬からおりて、
「なぜこんな処で泣いてる」
と言って聞いた。狐の女は、
「私は易州の者でございますが、北門の張という人の許へ縁づいておりましたところで、去年になって夫に死なれ、財産もなくなったので、困って親の処へ帰るところでございますが、歩が遅いものでございますから、日が暮れて困っております」
と言った。
その男は易州の軍人であった。