Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おうがいのけんこうとし

耄碌寸前

森 於菟

Leggi 耄碌寸前 (おうがいのけんこうとし) di 森 於菟 (もりおと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.925 caratteri · 89 schermate

Aozora Bunko

「僕は運よく逃れられたのですけれど、僕の友人の店子なんか可哀そうでしたよ。随分いい人だったんですが、最後までいやだいやだと言ったんですが……ああ」と言って口をつぐんでしまった。これ以上語るに忍びないのだろう。何しろ、僕の耳にしたところでは、家の前に、一本の竹槍だとか日本刀だとか立てられただけで、アメリカの戦車の前に並べられたそうである。その結果がどうなったかは語るまでもないと思う。

「こういうことは、今のところないらしいので、一安心しているのですが、でも借家人のうちには、それは家主を家主とも思わぬひどい奴がいるものなのですよ。あんな野郎に家を貸したが最後、こちらは悲惨なものですよ」と、いったん途切れた話の穂をついだのが、この部屋随一の物知りで知られている死体である。彼の店子はある大学の法医学教室で研究もしたこともあるという医学博士である。

「それは法医学教室やなんかにいる僕等の仲間なんです。先生のお部屋には幸い来ておりませんがね」とじろりとあたりを見廻しながら、ぼそりぼそりと例の死体君独得のゆっくりした調子で話しはじめたのが以下の物語なのである。

「実際仲間にもずいぶんひどいことをされたのがいますよ。