Classici giapponesi con furigana
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おうがいのけんこうとし
耄碌寸前
森 於菟
Leggi 耄碌寸前 (おうがいのけんこうとし) di 森 於菟 (もりおと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.925 caratteri · 89 schermate
紫インキで書簡箋に八枚、あたしにはわかりませんが、大そうな名文だとか皆さんおっしゃいました。ええと初めは『みどり色濃き松が枝の』という句だそうです。わきにおにぎりと焼ざかなのお弁当ができておりました。奥さんの以前に親しくしていらっしゃった方のお名前が松枝さんとか、引きわけられて見知らぬ男に添わされたのに逆上なさったのです。前の人にすまないと操を破られたかたき打ちのつもりであれを切り落し、証拠物件を持って中国の方のその方をたずね、おわびしてお死にになるつもりだったんです。お金入れの中はその汽車賃ばかり、それでお弁当まで用意して長い書置をかくうちに夜が明けてしまったんです。おかわいそうですが、女の執念っておそろしいものですね。」
こうして世にも恐ろしい家屋破壊主義者達の話が終ると、それまで時々「ほうほう」と相の手を入れて聴いていた、一同の死体はしゅんとなった。僕もしゅんとなった。こういう悲惨な話の後では、いかに陽気でおしゃべり好きな死体達とはいえ、胸元が何かで一杯になってしまって、物が言えなくなってしまうのである。
どこかで、我がことのように身につまされてしくしくとすすり泣きをしている声さえきこえてくる。