Classici giapponesi con furigana
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せいアレキセイじいんのさんげき
聖アレキセイ寺院の惨劇
小栗 虫太郎
Leggi 聖アレキセイ寺院の惨劇 (せいアレキセイじいんのさんげき) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.638 caratteri · 65 schermate
そこで始めて、あの電報が、私の幸福を嫉んだ悪党の仕業だったと云うことが判りました。そして、歩いて帰るよりほかに方法がなくなってしまったのです。」
「しかし、君はそんなに疲れている癖に、現在僕の前へは鉄砲玉のように飛び出したじゃないか。」法水は叩きつけるような語気で云った。
「鐘の音を聴いたからです。われわれの同志の間では、刻限はずれの鐘を変事の警報にしているのです。」ルキーンは身体を焦だたし気にもじらせて、声を慄わせた。「鳴ったと思うとすぐやんでしまったのと云い、あの弱々しい音を考えると、なんだか私には、鐘の振綱に触れた手を、理不尽に横合いから遮られたような気がするのです。つまり、すでに行われた変事の発見ではなくて、異変の進行中に鳴らされた救助信号ではないかと思うのです。しかも、それ以前に私は、偽電報で釣り出されています。」
「行こう」検事はたまりかねて叫んだ。「なるほど、鴉や鳶ぐらいでは、あの鐘はビクともしないぜ。」
不思議な侏儒ルキーンの出現は、それまで多寡を括っていた、法水の鐘声に対する観念を一変させた。そして彼は、凄惨な雰囲気の中に、一歩踏み入れたような気がした。