Classici giapponesi con furigana
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はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Leggi 肌色の月 (はだいろのつき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.706 caratteri · 101 schermate
はやく警察へ連れて行かせなさい。ともかく、この部屋から出てもらってちょうだい」
「出てもらいましょう……僕がよく話しますから、あなたは階下へいらっしゃい」
どんな扱いをされても、文句はない。久美子は窓のほうをむいて、しおしおと着換えにかかった。
「あなたは東洋放送の宇野久美子さんですね……テレビでお顔は見ていましたが、あなたがK・Uだとは知らなかった……何年も前から、いちどお目にかかりたいと思っていました……あなたのことは父から聞いていましたので、他人のような気がしなかったんです」
甘ったれた口調で、息子がそんなことを言っている。
「お出かけですか」
着換えをする手を休めて振返ると、階下へ行ったとばかし思っていた大池の長男が、まだ扉口に立っていた。
どこかで似た顔を見た記憶がある。
すぐ思いだした。『悪魔のような女』という映画で校長の役をやったポール・ムウリッスのある瞬間の表情……視点の定まらない、爬虫類の眠ったように動かぬ眼になる、あの瞬間の感じにそっくりだった。
「ここにお邪魔しているわけにはいかないでしょう。目ざわりでしょうしね……いつでも警察へ行けるように、支度をしているところ」