Classici giapponesi con furigana
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はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Leggi 肌色の月 (はだいろのつき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.706 caratteri · 101 schermate
そのときの印象は、もう助かりそうにもないように見えた……枕元のサイド・テーブルに下部鉱泉の瓶とコップが載っている……私がロッジに来る前に、鉱泉に催眠剤を仕込んでおいた奴がある。湖水の分れ道で君を拾ったことは、誰も知らないはずだから、目当ては、当然、私だったのだと思うほかはない……泊ってくれるだけでいいなどと、うまいことをいってひっぱりだして、私を殺して湖水に沈めるつもりだったんだ」
「その話は妙だわね。あたしはこうして生きているわ」
「ブロムラール系の催眠剤十五グラムは、健全な人間には致死量にならないが、特異質や身体異常者……たとえば、妊婦とか、心臓、腎臓の疾患者は、その量で簡単に死んでしまうというんだ。私のような冠疾患者があの鉱泉を飲んだら、当然、死んでいたろう」
「鉱泉を分析してみたわけでもないでしょう。そこまで考えるのは、すこし敏感すぎるようね」
「前例がある……兄の前の細君の琴子と、トンネル会社をひきうけていた水上という男が、催眠剤の誤用で死んでいる。琴子は妊娠中で、水上は腎臓をやられていた。君代ぐらい催眠剤を上手に応用するやつもないもんだ。感服するほかはないよ」