Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
かんぞうせんせい
肝臓先生
Leggi 肝臓先生 (かんぞうせんせい) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.194 caratteri · 46 schermate
ついにチフス菌は現れなかった。軍の威信をもってしても、健全なる人体からチフス菌をとりだすことは不可能だという平凡な事実が証明されただけである。おかげで肝臓先生は夜逃げしたり、牢屋へブチこまれずにすんだ。
ところが軍との悪因縁はどこまでも附きまとう。
先生の無二の心の友であった老いたる女傑が、軍を恨んで自殺して果てたのである。この女傑は蔦づるという待合の女将で、先生の為人を知り、これを遇すること最も厚い人であった。
肝臓医者とさげすみをうけることこそ、先生の栄光であることを、彼女は最もよく知っていたのだ。先覚者の悲劇である。また、予言者の宿命でもある。真理を知るものは常に孤絶して、イバラの道を歩かねばならないのだ。
二人は茶の友であり、又、詩歌の友でもあった。
彼女は豪腹であったから、敵も多かった。彼女を密告する者があった。B二十九が通るたび、物干へでゝハンケチをふって合図しているというのである。
彼女は憲兵隊へ呼びだしをうけた。身の覚えのないことであるから、疑いは晴れたが、怒り心頭に発してその無礼を咎める彼女に向って、憲兵の親玉はセセラ笑い、キサマのようなロクでもない商売で金をもうける奴は、国賊だ、サッサと死んでしまえ、と怒鳴りつけたのである。