Classici giapponesi con furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Leggi 胚胎 (はいたい) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.077 caratteri · 55 schermate
法王 わしは今、神のお召をあずかろうとして居る。この荒屋に逝く身とはなったけれど、わしは幸福を身にあまるばかり感じて居る。
心ばかり富んだ人々が、わしを只の「不幸の人」として見て呉れ、わしに臥床をかすのを嫌わいで呉れると云う事は何よりも快い事じゃ。
末長うござる方に、栄を残す事は又よろこばしい。
これですべての事の方はついて仕舞う、とは云えこの徳も力もないわしが、やがての時、見事にすこやかに生い立つべき種を消ゆる事なく眼にはよう見えぬ土に蒔いたと申す事はわしを安らかに、御国へ行かせる――
息がきれた様に言葉の末をただほそく残す。
人々は一種の恐怖と何か期待して居る様な気持で時々、手で話し合ったり合点したり祈ったりして居る。
又云いつづける。
法王 わしを安らかに御神のそばに行かせて呉れる事なのじゃ。
末長う、栄ゆる様にと、まだ若うておいでるお方を祝福致す。
身にふさわしい贈物も、おうけ致す。
わしの御返事なのじゃ――
使者 たしかにお伝え申します。
一人で去る。
老僧 思わぬ事でお疲れがましました。
人々は帰ってもらう様に致しましょう。
法王 何のそれには及ばぬ。