Classici giapponesi con furigana
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Leggi 自叙伝 (じじょでん) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 115.021 caratteri · 230 schermate
ついには消防夫すらも逃げて帰った。
僕もあわてて家の方へ走った。そして二、三町行った頃に、今までそのそばで見ていた鬼子母神という寺に火のついたのを見た。茅ぶきの大きな屋根だ。それがその屋根一ぱいの大きな火の柱になって燃え出した。
火はまだ僕の家からは七、八町のところにあった。しかし僕はもう当然それが僕の家まで燃えて来るものと思った。僕は家に帰ってすぐ母に荷物を出すようにと言った。近所でももうみな荷ごしらえにかかっていたのだ。
「見っともないからそんなにあわてるんじゃない。」
母はこう言ってなかなか応じない。しかし火の手はだんだん近づいて来る。僕はもう一時間としないうちにきっと火がここまで来ると思った。そして母にせめては荷ごしらえでもするように迫った。
「荷物は近所でみな出してしまってからでも間に合います。あんまり急いで、あとで笑われるようなことがあってはいけません。まあ、もう少しそこで見ていらっしゃい。」
母はこう言いながら、しかし女中には何か言いつけているようだった。そしてしばらくして僕を呼んだ。
「もういよいよあぶないから、お前は子供をみんなつれて立ちのいておくれ。