Classici giapponesi con furigana
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はんにゃのめん
般若の面
小川 未明
Leggi 般若の面 (はんにゃのめん) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 4249 caratteri · 9 schermate
」とたずねました。
「私は、北海道に知人がありますので、そこへ頼っていきたいと思います。しかし、それにしては、すこし旅費が足りません。それで、死んだ父の形見ですが、ここに時計を持っています。いい時計で、父も大事にしていたのでした。これを町へいったら、手ばなして、金にしたいと思っています……。」と、いうようなことを、若者は、話しました。
主人は、なんとなく、この知らぬ旅人の正直そうなところに、同情を寄せるようになりました。
「どれ、どんな時計ですか?」といった。
若者は、時計を出して、主人に見せました。小型の銀側時計で、銀のくさりがついて、それに赤銅でつくられたかざりの磁石が、別にぶらさがっていたのでした。その磁石の裏は、般若の面になっています。
「なるほど、いい音だ。これなら、機械は、たしかだろう……。」
「まだ、その時計にかぎって、機械の狂ったことを知りません。」
「すこしくらいなら、私が、ご用立てをしましょう。そのかわり、いつでもこの時計は、あなたにお返しいたします。町へいって、お売りになるのなら、それくらいの金で、私が、おあずかりしてもいいですよ。」