Classici giapponesi con furigana
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せんいのたちば
船医の立場
菊池 寛
Leggi 船医の立場 (せんいのたちば) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.712 caratteri · 22 schermate
思うに、かの二人の青年は、日本政府に忠実であるかどうかを試さんとして、送られたる間者である。もし、我々が彼らの志望を許したならば、ただちに日本政府から抗議が来るだろう。そして、我々は、日本政府に不忠実なるものとして、折角平和のうちに得た通商の許可も取り消されないとも限らない」
「いや、貴下は疑い過ぎる」副艦長のゲビスは、毅然として屈しなかった。「貴下は、あの青年たちを見ないから、そんなことをいわれるのだ。彼の青年たちの目は、海外の知識を得ようとする熱心さで、血のように燃えている。それは、決して間者の瞳ではない。彼らの衣類は濡れ、彼らの手指には、無数の水泡を生じている。それは彼らが、潜かに本船に近づかんとして、どんな犠牲を払ったかを語っている。もしも、彼らが日本政府の間者であったならば、彼らはもっと容易に我々のところへ来たに違いない。その上、彼らは本船へ乗り移るときに、彼らにとって生命よりも大切な大小を捨てている。彼らは海外へ渡航するために、生命をさえ払おうとしている……」
「しかし、ゲビス君!」いつもは寡言な提督ペリーが、重々しい口を開いた。「私も、あの青年たちの希望を遂げさせたいという感情においては、君と異らない。