Classici giapponesi con furigana
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えんようき
艶妖記
山本 周五郎
Leggi 艶妖記 (えんようき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.761 caratteri · 38 schermate
もはや物語の結びに近づき、筆者もほっとしかけた折になんたるどでん返しであるか、だが待たれよ、――当の八百助は平気でござるぞ、さらばなに事かあるに違いない、もうひと辛抱つかまつるといたそう。白洲には用意が出来ていた、判官席には御本城から御奉行様が御出張なされ、与力、書記、同心たちも儀々しく居並んでいる。また下には珍しや黒門の権右衛門が証人として控え、係りの裁判官はこれも奇遇の兼尾呉兵衛殿であられる。さよう正に兼尾氏、袖下郷の代官たるかの御仁でござる、
「用意ととのったか、さればこれより、えへん」
兼尾殿はこう咳払いをして、この晴れがましい役目の遂行にかかった。問題はなんであるか、それは武藤権右衛門の獄中訴訟であって、摘要すれば「玉造の家は年数も知れざる昔より保良郡に住し、家業とする玉造りによって巨億の富を成した、しかもその玉類原石はすべて郡領たる持山より掘り出せるにかかわらず、深く秘して官を瞞着し、不法に貢税をのがれ賦役を逃げて、ひとり王侯の富を蔵するに至った」こういう訴えなのである。なにがさて御本城の御奉行閣下の臨席裁判だ、兼尾殿はこれぞわが腕のみせどころと、能力いっぱいぎりぎりの意気込みで主訟状を読み上げた。