Classici giapponesi con furigana
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えんようき
艶妖記
山本 周五郎
Leggi 艶妖記 (えんようき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.761 caratteri · 38 schermate
――かくてその年の六月、八百助は父と一緒に京へ上った、これは十二歳のときから毎年繰り返される例で、瑪瑙の玉や細工物を京へ持っていって売り、京から一年の必要品を買って帰るのである、父子は出来六という下男を供に吹矢の里をたっていった。しかるに大南という駅へ着いた晩のことだが、父の五百助がとつぜん病みだし、そのまま寝ついてしまった。激烈な腸疾患で医者は半月くらいかかるだろうという、京の取引き店とは約束の日どりがあるので、しかたなしに八百助が出来六をつれて出立した。嗚呼やんぬるかな、それは京への出立であると同時に悪運への踏み出しでもあったのである、というのは京の店で取引きをすませ、三百五十二両二分一朱という金を受け取って帰ろうとすると、出来六が安芸の宮島へ参詣するはずだとつかぬことを云いだした、
「おふくろさまの云いつけで、おまえの跛の治るよう、親父さまの災難除けも兼ねて代参してくれろ、と頼まれて来た」
こう云うのである。八百助はそんなことは聞いてもいないし大南に病んでいる父の事も気がかりだから帰ろうと主張した。すると出来六は不逞にも、
「それなら自分ひとりで代参するから金を百二十両くれ」