Classici giapponesi con furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Leggi 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) di 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.254 caratteri · 226 schermate
探幽は画絹を前に、しばらくは構図の工夫に思い耽っていましたが、やがて考えが決ったと見えて、筆をとり上げようとしますと、そこへ次の間から信綱が興奮したらしい顔を現わしました。そしてまだ何一つ描き下してない画絹を見ると、
「何じゃ、まだ一つも画いてないのか。さてさて絵師というものは鈍なものじゃて。」
わざと聞えよがしに言ったかと思うと、いきなり足の爪先でそこにあった硯を蹴飛ばして、そのまま次の間に姿を隠しました。墨汁は画絹は言うに及ばず、探幽の膝から胸のあたりまで飛び散りました。まるで気の狂った泥鼠が乱暴を働いた後のようでした。探幽はむっとしました。
「あまりといえば乱暴ななされ方だ。」
真青に顔の色を変えて、そのまま立ち上って帰ろうとしました。それを見た松平家の家来たちは、てんでに言葉をつくして平謝りに謝りました。このまま探幽を帰しては、居合す家来たちの大きな手落となると聞いては、探幽もむげに我を通すわけには往きませんでした。彼はしぶしぶ座に帰って、また画絹の前に坐りました。
伊豆守の無礼だけは、どうしても免すわけに往かぬと探幽は思いました。膝から胸のあたりに飛び散った生々しい墨汁の痕を見ると、彼は身内が燃えるように覚えました。