Classici giapponesi con furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Leggi 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) di 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.254 caratteri · 226 schermate
冬中眠っていた樹の生命は、また元気よくめざめて、樹皮の一重下では、その力づよい脈搏と呼吸とが高く波うっている。
その道の学者のいうところによると、野中に立っている一本の樺の木は、一日に八百ポンド以上の水分を空中に向って放散している。普通の大きさの水桶でこれだけの水を運ぼうとするには、まずざっと三十二度は通わなければならぬ。もしか人が地べたから樺のてっぺんまでそれを持ち運ぶとして、一度の上り下りに十分かかるものとすれば、それだけの水を運んでしまうには、五時間以上も働かなければならぬことになるといっている。
樺にしてからがそうだ。桜にしてもそうでないとはいわれまい。とりわけ春は再び樹にかえって来て、枝という枝は数知れぬしなやかな葉を伸ばし、みずみずしい花を吹いている昨日今日、樹の内部では一瞬の休みもなく、夥しい水分が、根より吸い上げられて、噴き上げの水のようなすばらしい力をもって、幹から枝の先々にまで持ち運ばれていることだろう。――私はその激しい動揺を、自分の背に感じて、思わず
「春だな。」
と、心のなかでそういった。そして眼をあげて、頭の上に垂れかかっている枝を見た。