Classici giapponesi con furigana
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しばいきょうぼうけん
芝居狂冒険
夢野 久作
Leggi 芝居狂冒険 (しばいきょうぼうけん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.334 caratteri · 21 schermate
ここへ出て来い畜生」
「まあお待ち。お前さんたら馬鹿馬鹿しい。何もそんなに喧嘩腰にならなくたっていいじゃないの。ねえ万ちゃん。いったいどこへ行ったの。そんなに、いい劇(の)がどこかへ掛かってんの」
と云ううちにお神さんが万公の前へ剥げチョロケたお膳とお櫃(ひつ)を押し遣った。
万公は上り框(かまち)に両手を突いたままメソメソ泣出していた。それはお神さんの親切に対する有難涙でもなければ、親方に叱られた口惜し涙でもなかった。
……この世の中には芝居以上に真剣な、危なっかしい事がイクラでもあります。私はそのために今まで闘って来たのです。私の今の気持は芝居どころじゃないのです……。
と云いたくてたまらないのに、どうしてもそれが口に出して云えない、情なさからの涙であった。
「まあ。万ちゃん。泣いてるじゃないの。可哀そうに……御覧よ。お前さんがアンマリ叱るから万ちゃん泣いてるじゃないの。咽喉(のど)をビクビクさして……さあさあ、もういいから御飯お上り。ね。ね」
「テヘッ。呆れて物が云えねえ。咽喉のビクビクが可哀相なら、引っくり返(けえ)った鮟鱇(あんこう)なんか見ちゃいられねえや。