Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
金五郎は、妻からされたように、黙って、キザミを雁首につめ、火をつけ、一口吸って、マンに煙管をかえしてから、
「おれは、駄目じゃ」
と、唇を噛んで、呟いた。
「どうなさったの?」
「なっとらん」
「あなた、仕事場でも、泣いていなさったようにあったが……?」
「泣いたんじゃない。口惜しいやら、情ないやら、馬鹿々々しいやら、恥かしいやら、……あんまり、腹が立つもんで、笑うてやろうと思ったら、どうしたわけか、眼から、水が出たんじゃ。角助をインチキ呼ばわりしたが、こっちの方が、よっぽど、インチキじゃった。こんなことじゃあ、龍になって、天に昇るどころか、谷底に落ちて、這いずりまわるが、関の山じゃ。なっちゃあ、居らん」
金五郎は、憂鬱そうに、膝をかかえた。
――龍。
その言葉を口にされて、マンは、どさくさで忘れていた夫の彫青のことを思い起した。
「あなた」
「うん?」
「彫青、どうなさったの?」
「これか」
金五郎は、片肌を脱いだ。愛撫するように、右手のたなごころで、二三度、龍のうえを撫でさすった。ランプの光の下で、青の色が美しい。
「誰から、彫って貰ったんですか?」
「親方たちと、武蔵温泉に行ったとき、ひょっくり、腕のええ彫青師に出逢うてなあ。