Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
月賦で、ええ。あるとき払いでも、ええ。玉井さんを信用して、売ります。持って帰って下さい」
その親切な計らいで、手に入れることが出来たのであった。
金五郎は、時計を柱にかけた。
「マン、飯は、まだか?」
「出来ました。もう、ええです」
「そうか」
金五郎は、二階の梯子段のところに行って、下から、呶鳴った。
「おうい、みんな、晩飯ぞう」
「はあい」
二階にいた子分連中が、どやどやと、降りて来た。
いつもと変らぬ食事をした。
夜が来て、八時、九時、十時と、時間が経った。町の家々も、一軒ずつ、灯を消す。静かになった夜の空気を、病院から、聞えて来る重病人の陰鬱な呻き声だけが、かすかに、破る。
十一時が打ったとき、金五郎は、マンに、
「大盥を、玄関において、一杯、水を汲みこんでくれ」
と、命じた。
マンは、いわれるとおりにした。なにをするのか、わからなかったけれども、無言で、いつも洗濯に使う盥を、金五郎から指示された場所に置いた。その盤に、バケツで五六杯、水を八分目ほど満たした。
「マン」
「はい」
「お前、出しゃばることならんぞ。女だてらに、喧嘩の中などに、入るなよ」
「はい」