Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
がいた。
「向こう方が、大層多いのう」
と、いう。
「嚇かそうとしとるんじゃよ」
「吉田親分は、見えんようじゃないか」
「後で来るとか、いいよった」
新之助は、金五郎の弟分ということで、今日は「飛鳥」の亭主ではなく、正客として、金五郎とならんでいた。
森新之助は、この街では、一目置いた眼で、眺められている。殺人の前歴があるからだ。人を殺して、監獄に行って帰れば、箔がつくことは、一種のやくざ憲法ごときものになっている。新之助が殺した「蝮一」は、関門北九州では、もっとも獰猛な親分であったので、新之助は奇妙な名声さえ持っているといってよかった。普段はおとなしいが、生来、短気で、かっとなると、なにをしでかすかわからない。そんな気質も、いつか、知られていて、
「あいつを怒らせると、うるさいぞ」
うるさいことでは人後に落ちない連中からも、そんな風な眼で見られていた。そのことが、いわば、敵方である吉田磯吉派の勢力圏内で、「飛鳥」を開業して、どうにか、これまで、無事にすんだ理由といえるかも知れない。しかし、今、例の「顔」が、その均衡と平和とを破ろうとしているのであった。
金五郎の側としては、新之助、松川源十、大川時次郎、大庭春吉、三崎国造、田中光徳の七人きりであるが、友田喜造の側は、残りの大半である。