Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

仲仕の方も負けずに、今度は船頭の女房を槍玉にあげる。メキシコ丸の連中が、船橋や甲板の上で、面白そうに聞いている。

「おいおい、お前たち、そんな歌喧嘩すんなよ」

舷の欄干から、上半身をのぞかせて、金五郎が呶鳴った。にこにこしている。

「そんなら、オヤジのを、いっちょ、聞かせてくれえ」

城三次が、棚の下段からあおむいて声をかけた。

「よし、歌うぞ」

金五郎は、機嫌がよい。

若松みなとの

ゴンゾは花よ、

粋な手さばき

日本一……

どっと起る歓声と、拍手。笑い声。石炭がばらばらと飛ぶ。金五郎は、なお、つづける。

雛壇の上に、ならんで立っている甚七と、清七とが、港内の一点に視線を集めて、低い声で話している。

「あの梅丸には、ドテラ婆の組が来ちょるが、角助は見えんようにあるのう?」

「甚公、お前、知らんのけ? 角助は、バクチで、小倉監獄にかまうとるぞな。もし」

「へえン、それで、このごろ見んと思うた。ドテラ婆に、うちのオヤジを殺すことを請負うちょったそうなが、……」

「そらそうと、時やんは、姐さんを迎えに行くちゅうて、広島に帰んだが、うまいこと、つれて戻りきるじゃろか?」

「オヤジも、危いことをするなあ。