Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

内側にまくれこむほど、唇をきっと結び、豹のような鋭い眸で、瞬きもせず、自分を凝視しているマンの血走った顔に、ギンはぎょっとした。眉は吊りあがり、瞳には、怒りと、憎しみと、復讐のいろとが、燐光のように燃えている。後手に隠している刀は見えなかったけれども、大きく波打っている肩と胸とに、不気味な殺気があった。

それでなくてさえ、びくびくもので入って来たギンは、たじたじとなる思いで、二三歩、後ずさった。急に、あわてたように、

「ごりょんさん、おもがな、今日来たのはな、あんたに一言、いうて置きたいことがあったけんじゃ。おれも困ったよ。今度のこと、玉井さんやあんただちにとっても、大事じゃったことはようわかっとるが、……これが、おれの方にも、こたえた。角助の馬鹿たれ奴、バクチで、小倉監獄にかまうちょったけ、ええ厄介払いが出来たと思うとったのに、いつ出て来やがったのか、玉井さんにこげなことをしちょる。おれは、なんにも知らん。……ほんとに、……ごりょんさん、おれを信用しておくれ。世間じゃ、まるで、おれが玉井さんを殺したようにいいよる。角助の奴が勝手にやったことで、おれはなんの関係もないのに。