Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
かんじんの命令を降した張本人は、なんごとものう、相かわらず、大親分で君臨しちょる。代議士になっちょる。面白か街たい」
「原田君、そう簡単にはいいきれんところもあるばい。人を殺した者が、みんな、悪人とはかぎらん。また、殺人罪をおかしたところで、それで売りだすともかぎらん。森新之助でも、「六ゾロ」の松川源十でも、そうじゃ。島崎勇次君も、なんか、のっぴきならん、売られた喧嘩じゃったらしい。そこが、森新之助の共鳴したとこかも知れん。無論、殺人なんて、人間としての最悪の罪、絶対におかしてはならんこと、……じゃけど、人間は、してはならんことを、どうしてもせにゃならんこともある。いや、逆上して、無意識に、してしまうこともある。……こんなこと、あんたにいうのは、釈迦に説法じゃが、……」
次第に、しんみりした語調になる金五郎は、東京での恐しい出来事を思いだしていた。
「筑紫館」の家族風呂に、友田喜造と二人で入っていたとき、
(この男を殺してやろうか)
唐突に、その悪逆の心が兆したことがある。愕然として、大あわてで、悪魔の想念を追っ払ったけれども、人間の心の奥底に棲んでいる、思いもかけぬ鬼の存在に、慄然としたのであった。