Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
そういって、服の内ポケットから取りだした黒いものを、金五郎の掌に乗せた。一挺のピストルであった。
金五郎は、妙な顔をして、
「こりゃあ、一体、どげしたんじゃ?」
「おれが持っとると危いけ、お前にやるとたい」
「おれだって、こんなもんに、用はない」
「実は、金さん、聞いてくれ」新之助は、しんみりした、どこか、さびしげな語調になって、「そのピストルは、大川の時やんから、手に入れたもんじゃ。時やんが、お前の選挙のとき、心配して来とった、あのときに、頼んだんじゃよ。そしたら、炭坑の方で工面して、このごろ、届けてくれた。ブローニングちゅう、新式の六連発でな、小型じゃけ、あんまり離れると当らんけんど、近いときにゃあ、持って来いちゅことじゃ」
「なんで、こんなもんを、時やんに頼んだんじゃ?」
「日若座の無念を晴らしてやろうと、思うたもんじゃけなあ」
金五郎は、返事が出なかった。
ちょっと沈黙した後、新之助は、さらに、さびしげに、自嘲のひびきさえまじえて、
「じゃが、おれは駄目じゃ。もう、人殺しは出来ん。百合香が、さっき、いうとったように、おれは日若座が焼けてからは、たしかに、頭がのぼっとったよ。