Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
友田の思う壺じゃろうけなあ」
「友田の鬼奴」
マンは、そこに友田喜造がいるかのように、口惜しがった。
六月十六日になって、金五郎は、日記に、
「今日モ駄目、炭商組合トノ交渉ハ無要、敵ハ友田、友田サエ居ラナケレバ」
そう書いて、妖しく、団栗眼を、ギラギラ、光らせた。
六月十八日、一つの事件が起った。
「若松港沖仲仕労働組合」の名で、東京から、劇団「左翼劇場」がよばれた。公演は六月十九日夜、六時半、会場は旭座、ということが決定された。なお、劇団は、小倉、八幡、門司、等で、公演する予定だった。だしものは、「太陽のない街」(四幕寸場)、「プロ裁判」(一幕)の二つ。労働組合では、特に、ガリ版で、「組合ニュース号外」を印刷した。劇団について解説し、「一人のこらず、働く者のための演劇を見に行け」と書いた。料金は、一般が、一等一円五十銭、二等一円、三等六十銭であったが、組合では、三十銭の「労働者券」を発行した。
金五郎が、笑って、
「おれも仲仕じゃけ、三十銭で、ええじゃろ?」
勝則にそういって、マンと二人で、当日を楽しみにしていた。
勝則夫婦は、前年末、山手通りの新居から、正保寺町の家に帰って、両親と同居していた。