Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

ようもまあ、似たもんじゃ。お京の若いときと、ひとつもちがわん。

病気のお京は、おれに、いうた。

――金五郎さん、今ごろになって、あたしは、こんななりで、あなたに逢いとうはない。でも、やっぱり、死ぬ前に、一ぺん逢えてうれしい。

そして、泣いた。

おれは、眼をこすってみた。これが、あの、昔のお京じゃろか? まるきり、しなびた胡瓜のごとなって、痩せんこん骨、ふた眼とは見られん。じゃが、お京にはちがいなかった。

それで、おれも、いうた。

――お京さん、わたしも、あんたに逢えてうれしい。

そしたら、お京が、いうた。

――金五郎さん、彫青をもう一ぺん見せて。

おれは、左腕を出した。

――美しいわ。二十五年前に彫ったときと、ちっとも変ってない。あたしは、これを彫ってから、二度と彫青を彫らなかった。でも、あたしはおマンさんに負けた。この龍のつかんでる菊の花、おマンさんなのね。

お京は、そんなこというてから、傍に居ったお葉に、筆と針とを持っておいで、といいつけた。

おりゃあ、死ぬ間際に、お京が、約束の右腕に、降り龍でも彫るのかと、びっくりした。ひやひやしとった。

そしたら、違うとった。