Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
めばえ
芽生
宮本 百合子
Leggi 芽生 (めばえ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 40.924 caratteri · 81 schermate
男はたるんだ声で云ったのがふくれきって居た女の心をひやっこくスーッとなぜて行った。女は急に影のさした様な気持になって、机のはじにチョンと腰をかけながら、濃い房々した男の髪を見ながら、
「あんた、今日どんな気持でらっしゃる? ふやけた様に――たるんでるんでしょう?」
口元をゆるめないで女は云った。
「又始まった、だだっ子だなこの人は――」
男は何でもない様に云って、ねりそこねたうどん粉の様な笑い方をした。
男のする事や云う事は、女の心に入って行く時にはすきだらけの、みっともない下手なお化粧の様になって、ほんのちょっぴりうしろにむきかけた女の心を段々とあと押しをした。
女がしまった心で居るのに、男の方ではすきだらけで何でもないただの人をもてあつかって居る時と何の変ったところもなく、「ほんとうにネ」「そうだ」「違うよ」と云う言葉を繰返し繰返しかんしゃくがこみあげて来て、くしゃみが出そうになるまで男は繰返した。
「アア、私来なきゃよかった」
あきらめた様な口調に女が云った。
「マア、どうして?」
男はフイにどやされた様な声で云った。
「貴女があんまりのんべら坊としてる――すきだけらで下手な話ばっかりして――