Classici giapponesi con furigana
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めばえ
芽生
宮本 百合子
Leggi 芽生 (めばえ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 40.924 caratteri · 81 schermate
自分に宿って□いるとしたらあんまりむごい事ばっかりする神様だ――己は左う思いたくない、そうすると神様は死んでしまいなすったものかナ、――神様――妙なものだ、考えても分らない、神さまなんてそんなに有難いものかナア、何にでも幸福を受けて下さるものとしたら己だけままっになったのだが――」
はかなげな溜息をついた。そして茗荷畑からゴソゴソとおき出した。その茗荷畑のすぐ後に城壁の様に青く光ってそびえて居る人間の作った壁と云うものをいかにも根性の悪いような絶えずおびやかされて居る様な気で見上げた。
なにげなくした羽ばたきの音は先が切られてあるんでポツリとした音であった。その音を、不思議な様な様子をしてきいた男がもはしみじみと涙のにじみ出る気持になって又そのまんまそこに座ってしまった。
「ア――」
腹の底からしみ出す様に悲しい心は、口からとび出して斯ういう声になった。
「アア、己は運命と云うものの前にひざまずいて思うままにされなくっちゃあならない体になってしまった。己は、自分から運命を開拓して行く事は出来ない。ほんとうに己は呪われたあわれな一つの動物なんだ――」
あきらめきれないのを無理にあきらめて、男鴨はヨチヨチと立ち上った。