Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くさめいきゅう

草迷宮

泉 鏡花

Leggi 草迷宮 (くさめいきゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.733 caratteri · 142 schermate

Aozora Bunko

南無阿弥陀仏、御坊様、まだかね。」

「ちょいと、」

「ひゃあ、」

僧は半ば開いて、中に鼠の法衣で立ちつつ、

「ちょいと燭を見せておくれ。」

「ええ、お前様、前へ戸を開けておいてから何か言わっしゃれば可い。板戸が音声を発したか、と吃驚しただ、はあ、何だね。」

「入口の、この出窓の下に、手水鉢があったのを、入りしなに見ておいたが、広いので暗くて分らなくなりました。」

「ああ、手、洗わっしゃるのかね、」

と手燭ばかりを、ずいと出して、

「鉢前にゃ、夜が明けたら見さっせえまし、大した唐銅の手水鉢の、この邸さ曳いて来る時分に牛一頭かかった、見事なのがあるけんど、今開ける気はしましねえ。……」

ええ、そよら、そよらと風だ。

そ、その鉢にゃ水があれば可いがね、無くば座敷まで我慢さっせえまし、土瓶の残を注けて進ぜる。」

「あります、あります。」

ざっと音をさして、

「冷い美しい水が、満々とありますよ。」

「嘘を吐くもんでェねえ。なに美い水があんべい。井戸の水は真蒼で、小川の水は白濁りだ。」

「じゃあ燭で見るせいだろうか、」

「そして、はあ、何なみなみとあるもんだ。」

「いいえ、縁切こぼれるようだよ。