Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

きくづきよ

菊月夜

山本 周五郎

Leggi 菊月夜 (きくづきよ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.129 caratteri · 32 schermate

Aozora Bunko

八

八

小房は面を掩って噎びあげた。信三郎はややしばらく泣くままにさせておいたが、やがて、

「……今日これから、評定所において忠左衛門が切腹をします、小房どの、そのおりあなたに介錯の役を勤めてもらいたいのです、表向きには許されませんが、老職がたの諒解を得ておきました。どうか支度をしてください」そう云って小房の眼を見た。小房はその言葉を解しかねるように、じっと信三郎の顔を見まもっていたが、ようやく意味を覚ったらしい。

「……ありがとうございますが、それはご辞退を申しとう存じます」と云った。

「どうしておいやだと仰しゃる……」

「おぼしめしはよくわかります、父の恨をひと太刀酬わせてくださる、……ありがとうございますけれど、父は私の怨で死んだのではないと存じますし、わたくしも父の仇という気持はございません、そういう気持をもってはならないと存じます、ご親切はもったいのうございますが、ご辞退を申します」

「……まさしく」信三郎はふかく頷いた。「仰しゃるとおりです、よくそこまでお考えになった、失礼ながらおりっぱだと思います、そこでもう一つお話があるのですが、……」

小房の眼がふと狼狽の色をみせた。