Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

なおこ

菜穂子

堀 辰雄

Leggi 菜穂子 (なおこ) di 堀 辰雄 (ほりたつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.758 caratteri · 173 schermate

Aozora Bunko

その晩、お前は私にその日の出来事を自分から話し出した。お前はK村に行くと、真っ先きに森さんのところへお寄りする気になって、ホテルの外で明さんに待っていただいて、一人で中にはいっていった。丁度午餐後だったので、ホテルの中はひっそりとしていた。ボオイらしいものの姿も見えないので、帳場で居睡りをしていた背広服の男に、森さんの部屋の番号を教わると、一人で二階に上っていった。そして教わった番号の部屋のドアを叩くと、中からあの方らしい声がしたので、いきなりそのドアを開けた。お前をボオイかなんかだと思われていたらしく、あの方はベッドに横になったまま、何やら本を読んでいた。お前がはいってゆくのを見ると、あの方はびっくりなさったように、ベッドの上に坐り直された。

「おやすみだったんですか?」

「いいえ、こうやって本を読んでいただけなんです」

そう云いながら、あの方はしばらくお前の背後にじっと眼をやっていた。それからやっと気がついたように、

「おひとりなんですか?」とお前にきいた。

「ええ……」お前はなんだか当惑しながら、そのまま南向きの窓のふちに近よっていった。

「まあ、山百合がよくにおいますこと」