Classici giapponesi con furigana
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はなばなしきしゅんかん
華々しき瞬間
久坂 葉子
Leggi 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) di 久坂 葉子 (くさかようこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.114 caratteri · 92 schermate
否、彼女は否定してみた。そして否定したことが、自尊心の故でなく、彼に感じたものが、肉慾をはなれて成立する非常に純粋なものがあると思ったからなのだ。感じるだけでいいのだ。つまり、理解など恋愛には不必要なことである。
南原杉子は、短くなった煙草を、灰皿にすりつけて、しばらく笑っていた。
――仁科六郎にひきつけられてゆく自分、つまり阿難、新しく誕生した阿難を眺めることは、煩雑な乾燥した女史、教師の生活を忘れさせ、本来の自分にかえることだ。それは、自らの慰安であり、インタレストでもあるんだわ――
南原杉子は、寐間着にきかえて、ふとんを敷いた。
――阿難。恋をしなさい。燃えなさい――
四
谷山女史の関西の御弟子の発表会の数日前である。
仁科六郎と、蓬莱和子と、南原杉子は二回目の三人会見をした。三週間目位だろうか。二人ずつではよく会っていた。仁科六郎と、南原杉子、つまり阿難の部分との関係は、いよいよ深くなっていた。然し、お互の孤立した生活をまもっていた。外泊はしない。仕事関係の時は、仕事関係の仁科と南原にすぎない。他人の眼のあるところでは、南原杉子の内部から完全に阿難は追いはらわれていた。