Classici giapponesi con furigana
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はなばなしきしゅんかん
華々しき瞬間
久坂 葉子
Leggi 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) di 久坂 葉子 (くさかようこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.114 caratteri · 92 schermate
南原杉子は、長々喋ってくれる相手が好きだ。その間に他のことを考えていてもいいし、十分に相手を観察することも出来るのだから。
――一体、この人どんな生活しているのだろう。あれまあ、又谷山をほめている。東京では弟子がないもんだから、ひょこひょこ関西落ちしてるのに、おや、首のあたりに、かげりがある。随分の年かな――
「あなた、音楽なさいませんの」
「好きだけど、無芸なのよ」
「あなた、失礼だけど、お幾つ」
「年などはずかしくって申せませんわ(実際のところ、私はいくつになるのかしら)」
「あら、ごめんなさい。お若くみえますわ、で、おひとり」
「ええ」
「御家族は」
「東京」
「まあ、じゃたったおひとりなんですの」
「さあ」
南原杉子は遂に笑いだしてしまった。蓬莱和子の質問がちっとも面白くないからだ。ところが、蓬莱和子の方は、こいつは男がいるんだなと思ったのだ。
「いいわね、おたのしみでしょう」
南原杉子はますます苦笑した。
「東京はよろしいですわね。で女子大でも」
「いいえ、とんでもない」
「あら、……。私、戦前はよく東京へまいりましたのよ。日比谷、なつかしいですわ。あのさ、御菓子召しあがって、私、とてもあなたが好きになりましたわ。