Classici giapponesi con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Leggi 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) di 小山 清 (こやまきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.741 caratteri · 486 schermate
鳴尾君は私にもそうすることを勧めたが、私にはそんなハガキを送る宛はなかった。その時だったか、それからどんなことを云ったのか、それは忘れてしまったが、私が自分の家庭について云ったことをきき咎めて、鳴尾君が「エゴイストだなあ。」と嘆息を漏らしたことがある。私は鳴尾君の「神経衰弱」と云うより頭痛の種は家庭的なことかも知れないと思った。云うまでもなく鳴尾君の家の宗旨は基督教ではなかった。高倉先生が病気なのが鳴尾君には痛手らしかった。それでも鳴尾君は毎日日課のようにして英訳本で「基督教原理」を読み進めていた。その頃はいまのように宗教書の氾濫を見ず、「基督教原理」の完訳もまだ出版されていなかったのである。
印刷所の仕事がわりに忙しくて、介山居士の云ったように、そんなに近隣の山野を散歩も出来なかったが、それでも日曜の午後などには鳴尾君に案内してもらってあちこち歩いた。私は木や草の名など皆目知らなかった。桑畑も実はわからなかった。あの木の根っこみたいのは一体なんだろうと思ったものだ。鳴尾君はそんな私にいろいろ知識を授けてくれた。げんのしょうこが植物で薬草だということを知ったのも鳴尾君のたまものである。