Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Leggi 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) di 小山 清 (こやまきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.741 caratteri · 486 schermate
田舎と云っても多摩川の上流で東京の管内ではあった。そこに金沢の家の本家があって代々百姓をしていた。だから祖母などはイエ達のことをよくこんな憎まれ口をきいた。「炭焼き江戸っ子の癖に。」など。震災直後私達が向島の隅田町に一時仮りの住居を見つけて移り住んでいたとき、一、二度母と一緒に訪ねてきたが、それきり私はイエを見なかった。イエ達はまた東京へ出てきて当時深川に居るという。イエはすっかり大人びていた。変らず涼しい眼をしていたが。久し振りにイエを見て私は祖母の憎まれ口を思い出した。しばらく田舎にいたせいかイエにはその血筋らしい武蔵野少女の匂いが感ぜられた。制服姿の私を見て、「まあ、清さん、大きくなって。」と云った。私はまた中学校へ行くようになってぐんと背が伸びた。私の学校が本所の錦糸堀なのを聞いていたイエは、学校の帰りに遊びに寄るように云った。私はイエと余り話さなかった。母と話しているのを傍にいて見ながら、その応対の大人なのに軽い威圧を感じたりした。帰りしなにイエは大人らしい眼色を見せて云った。「勉強しなさいね。」私は狼狽して母の顔色を窺った。私の不勉強への憂いを母は既にイエに話したものらしかった。