Classici giapponesi con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Leggi 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) di 小山 清 (こやまきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.741 caratteri · 486 schermate
私に過ぎた日のことを綴らせるものもこれだけだ。
一月に二度ぐらいだった、「本屋」(品のいい爺さんだった。)が工場を訪れた。服役者が読ませてもらう本の目録の入った箱をさげて。私達はその目録を繰って読みたい本をえらんだ。そして目録のカードを担当に示して、そのカードの裏面の欄に、いる舎房の番号と自身の称呼番号とを記入してもらうのである。三、四日して本は舎房の方に届けられた。一級、二級、三級、四級、という順番に自分の座席から出ていって目録を見せてもらった。「四級の者、本読む者出てこい。」という声をきくと、私ものこのこ出ていった。
「おや、五〇が出てきたぞ。仕事も出来ないくせに。」
その人は私を眼にとめ、そう云ってにらむ眼つきをした。そして、私がカードをその前に出すと、万年筆を控えたその人は、
「お前の舎房は?」とまじめな顔で云うのであった。
また。
私達の一日が暮れて工場から舎房へ引き上げる。十一工場の者は十五舎(一房から十房まであった。)が舎房であった。十房の者から逆に引き上げる。それぞれ舎房に納まったところを、看守がその錠前をおろしてゆく。一房の者が最後に引き上げる。