Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Leggi 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) di 小山 清 (こやまきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.741 caratteri · 486 schermate

Aozora Bunko

私は私の不穏計画を女性に限り遂行しようと決意を固めたのである。けれどもいざ実行という段になっては、私も流石に躊躇された。あまりにも空怖しいという気がされたのである。私は自分をつくづく弱気な駄目な男だと思った。今日こそは、今日こそはと思いながら、いつもその場に臨むと気が挫け、空しく好機を逸するにまかせた。私は空想力に於てはかなり奔放なつもりであるが、実行力に於ては生得欠けたところがあるらしい。あたら非凡な構想を胸に抱きながら、荏苒として日を送り、怏々として楽しまなかったのであるが、遂に一日あるきっかけから、日頃の鬱憤を晴らすことが出来たのである。題して「メフィスト」別名「三鷹綺譚」とでもいうべきものの顛末を以下ありのままに。

その日、私はいつものように朝寝坊をしていた。独り住居の気易さは、誰も文句の言手のないまま、私は起きたい時に起き、寝たい時に寝る、気ままな生活をしている。一つは起きてから自ら薪水の労をしなければ朝飯にありつけぬという不便が私を気無精にし、寝床の暖味をいつまでも離れがたなくさせているのだが、……その日も私はそのように朝の陽が部屋の中に差し込む時刻まで、うつらうつらしていた。