Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Leggi 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) di 小山 清 (こやまきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.741 caratteri · 486 schermate
盲腸の手術をしたのだが、経過ははかばかしくないようであった。痩せこけて不精髯を生やしているのでひどくふけて見えたが、それほどの齢でもなかった。やはり東京者で深川に妻子を残してきたという。木場にいたこともあるとかで、坑内では支柱夫をしているようであった。この人はときどきひどく癇癪を起した。若者が病室にいないときにわざとのように、
「附添いに来ているんだか遊びに来ているんだかわかりゃあしねえ。」
と、大声で聞えよがしに云っては、寝台から不自由な躯を起して、便器の前に屈み込んだりした。ときには若者に面と向って、
「あんた厭なら寮へ帰って、誰かほかの人を代りに寄こして下さい。」
と、つけつけ云うこともある。たとえどんなに行届かないにしろ、世話をしてもらっている人にひどいことを云うと思われるのだが、そんなに云われても、若者は腹を立てるでもなく云い返しもしなかった。この若者は病院に携帯用の蓄音器を持ち込んでいて、あちこちの病室に持参してはかけているようであった。おすぎも乾燥室で若者が同室の附添いの娘と二人で、蓄音器をかけているのを見かけたこともある。親爺さんが怒るのも無理のないところもあるし、若者としてはまたいまの境遇が気に入っているようなところもあった。